私はもともと会社員として働いていましたが、2020年に副業でブログを始め、次第にブログ収益が会社員の収入を超えてきた為、個人事業主(フリーランス)のブロガーとして独立しました。
現在では3サイトを運営しており、おかげさまで多くの人にブログを見ていただくようにもなりました。
収益が大きくなってくると、当たり前ですが税金や社会保険料の負担も大きくなってきますよね。
個人事業主の税金と社会保険料をできるだけ削減し、手取り金額を最大化するための一つの方法として、マイクロ法人を設立する方法があります。
今回は、私が実際にマイクロ法人を設立して役員報酬を4.5万円に設定した理由と、マイクロ法人を設立したことでどれくらいの税金と社会保険料が安くなったのかを解説します。
個人事業主だけの場合と比較してわかりやすく解説していきますので、参考になれば嬉しいです。
- 個人事業主とマイクロ法人の二刀流とは何か
- マイクロ法人を作るメリット・デメリット
- 個人事業主のみの場合と二刀流にした場合の比較
マイクロ法人とは
マイクロ法人とは、個人事業主(フリーランス)が税金や社会保険料の削減を目的として設立する法人(会社)のことを指し、通常は設立した個人事業主のみが代表として在籍します。
他の従業員や社員も雇用せず、代表1人のみで運営・経営する「個人事業主のための法人(会社)」になります。
最近ではフリーランスや個人事業主を中心に、今回私も実践しているマイクロ法人との二刀流による税金・社会保険料を削減する手法(スキーム)を使う人が増えてきているようです。
マイクロ法人を設立する注意点
注意点として、新しく設立するマイクロ法人は個人事業とは異なる事業である必要があります。
例えば、個人事業主のブロガーが、同じ事業であるブログを運営する会社(マイクロ法人)を設立することはできません。(法人成りすることは可能)
今回この記事で解説している手法(スキーム)は、”個人事業主が、新しく別事業でマイクロ法人を設立する“手法、つまり個人事業主とマイクロ法人の二刀流になります。
マイクロ法人を設立した理由・メリット
私がマイクロ法人を設立した理由は主に以下の3点です。
- 社会保険料の削減になる
- 節税になる
- 経験になる
社会保険料の削減(最適化)効果が大きい
私がマイクロ法人を設立した一番の理由が、社会保険料の削減です。
まず、個人事業主の社会保険は、”国民年金”と”国民健康保険”です。
そして、会社員の社会保険は、”厚生年金”と”健康保険”です。
私は今までは国民年金と国民健康保険に加入していましたが、マイクロ法人を設立したことで、役員として自分の会社の厚生年金と健康保険に加入する(切り替える)ことができます。
社会保険料はおおよそ所得に対してかかるので、マイクロ法人からの役員報酬(給与所得)を可能な限り低く設定することで、社会保険料(厚生年金+健康保険料)を最小限に抑えることができます。
そしてマイクロ法人で社会保険に加入していれば、個人事業で稼いだ分(事業所得)には社会保険料は一切かからなくなります。
節税効果
マイクロ法人を設立することで、節税効果も生まれます。
まず、個人事業主の収入(所得)は”事業所得”です。
そしてマイクロ法人から自分への収入(給与)は”給与所得”です。
今までは個人事業主の事業所得のみの収入でしたが、新しくマイクロ法人を設立することで、マイクロ法人の売上から自分への役員報酬として給与所得を得ることが可能になります。
給与所得には、55万円の給与所得控除を受けることができます。つまり年間55万円までの給与所得金額に税金はかからない(非課税)ことになります。
私は役員報酬を月額4.5万(45,000)円に設定し、年間の給与所得を54万円に抑えることで、給与所得控除のメリットを最大に活かすようにしました。
経験になるから
今回私がマイクロ法人設立の決め手となったのは、経験になると思ったからです。
正直、社会保険料の削減や節税効果のメリットは大きいですが、会社設立の手間や費用、管理コスト、税理士費用や契約など手間も考えると、最初は個人事業主だけでも良いかなと思ってました。
でもよく考えてみると、世の中の多くは会社員やアルバイトなどの「雇われている人」であり、個人事業主やフリーランスのみで稼いでいる人も少ない。さらにその中から自分で会社を設立して代表になる人はごく一部ではないでしょうか。
実際にマイクロ法人を設立してわかりましたが、会社の設立には多くの書類が必要で色々なところに提出する必要があり、かなり面倒でした。
しかし会社を設立する機会は普通に生きていてもなかなか経験できることではない。人生1回きりなので、実際に会社を設立したことは非常に良い経験になりました。
個人事業だけの場合との比較
マイクロ法人を設立し、個人事業主と二刀流になることによって、どのように変わったのかを比較します。
ざっくり計算ですが、社会保険料は以下のようになりました。
社会保険種別 | 個人事業のみ | マイクロ法人との二刀流(役員報酬4.5万円の場合) |
---|---|---|
国民年金 | 約20万円(一律) | 加入不要 |
国民健康保険 | 約85万円(自治体による) | 加入不要 |
厚生年金 | 加入不要 | 約19.3万円 |
健康保険 | 加入不要 | 約7.2万円 |
合計 | 約105万円 | 約26.5万円 |
マイクロ法人を作ったことで、社会保険料だけでも約78万円も手取りが多くなりました。
所得税と住民税については個人事業の所得によって変わりますが、個人事業の一部をマイクロ法人に分けたことにより、役員報酬の年54万円に対しては給与所得控除(55万円)の範囲内なので、税金はかかりません。
ただし、マイクロ法人にもコストがかかります。
まず、会社設立にかかった費用は以下の通り。
定款の作成依頼手数料 | 5,000円 |
定款認証にかかる公証人手数料 | 3.2万円 |
社印の購入費用 | 約5,000円 |
登記のための登録免許税 | 15万円 |
登記事項証明書や印鑑証明書の交付手数料 | 約5,000円 |
合計 | 約20万円 |
そしてマイクロ法人で毎年かかるコストは以下の通り。
法人住民税の均等割 | 7万円 |
税理士費用 | 15万円(私の場合) ※ 税理士費用は依頼する税理士によって大きく異なります。 |
会計ソフト | 約3.6万円(マネーフォワード年額プランの場合) |
合計 | 約25.6万円 |
会社設立費用の約20万円は最初だけですが、毎年かかるコストが約26万円ほど発生するので、社会保険料で増えた約78万円から差し引くと、約52万円ほどの手取りが増えるという計算になります。
※実際には所得や自治体によっても変わるので、参考としておおよそで捉えてください。
コストは利用するサービスで変わる
コストは利用するサービスによっても変わります。
例えば、私の場合は「マネーフォワード会社設立」というサービスを使って法人を設立しました。
法人を設立すると聞くと、多くの書類が必要なのでかなり難しく感じるかもしれませんが、マネーフォワード会社設立サービスを使うことで、個人でもめちゃくちゃ簡単に書類の作成から設立までできました。
会社設立から設立後に必要な手続きについて、ステップに沿ってフォームを順番に入力していくだけで簡単に書類が作成でき、書類の提出先や必要なものまでわかりやすく提示してくれるので、想像していたよりもかなり楽に会社が設立できました。
これほどの素晴らしいサービスが無料で利用できるなんて本当にありがたいですね。
マネーフォワード会社設立を使うことで、行政書士に依頼する定款作成手数料が無料になるので、自分で会社を設立しようと考えている人は、ぜひマネーフォワード会社設立を利用してみてください。
まとめ
今回は、私がマイクロ法人を設立し、個人事業主との二刀流になった理由を解説しました。
節税と社会保険料を削減するためのマイクロ法人とはいえ、まさか自分が会社を設立して代表取締役になるなんて、会社員の頃は想像もしていなかったです。
しかし実際に設立してみると、株式会社の仕組みや設立の手続きなど勉強になったことも多く、法務局や公証人役場、税務署に実際に行くこともあり良い経験になりました。
マイクロ法人を設立するか悩んでいる人は、節税や社会保険料の削減メリットがあるのか十分に考慮した上で、ぜひ個人事業主とマイクロ法人の二刀流に挑んでみてください。
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