ITIL Foundation資格V3とV4の違い どっちを取得するべきか解説

ITIL Foundationの資格取得を考えているけど、試験にV3とV4がありどっちを受験すればいいかわからないと悩んでる人は多いのではないでしょうか。

 

V3とV4のどちらも受験時間や受験料は同じなんだから、「とりあえず最新のV4を受験しとけばいい」と安直に判断するのは危険です。

ITIL V3とV4は基本概念が大きく違うため、どちらを受験するべきかは自分がなぜITIL資格を取得したいのかによって変わります。

 

今回は、ITIL FoundationV3とV4の違いと、結局どちらを取得すればいいのかについて解説いたします。

 

目次

ITIL Foundation v4とは

ITIL V4 (Version4)は2019年2月に発表されたITILの最新バージョンです。(2022年2月時点)

この最新バージョンでは、V3での「サービスマネジメント」から「ホリスティックアプローチ」という新しい考えに変わりました。

ホリスティックとは「全体的、包括的」という意味で、様々なメディアを相互関連させながら一貫して利用し、最適化するための手法のこと。

つまりITILでのホリスティックアプローチとはITサービスの提供者側からだけでなく、利用者からの視点も取り入れて共にITサービスを創っていくという考え

V3とV4の違い

ITIL V3では、ITサービスの提供者が利用者へ一方的にITサービスを提供するという視点での考えでしたが、ITIL V4では利用者へ一方的にITサービスを提供するのではなく、利用者と共にサービスを創っていくという視点に切り替わりました。

ライフサイクルからモジュールへ

また、V3ではライフサイクルとしていましたが、V4ではモジュールという考えになっています。

ライフサイクルでは1つの変更がプロセス全体に影響を与える可能性があり、ビジネスの環境変化に対応できない可能性があるため、モジュール(module=交換可能な構成要素)に改善されたようです。

プロセスからプラクティスへ

プラクティスとは業務の遂行や特定の目的の達成のために設計された一連の組織リソースのことで、ITIL V3でのプロセスに代わる新しい概念です。

ITIL V3ではライフサイクルとして、戦略(サービス・ストラテジ)、設計(サービス・デザイン)、移行(サービス・トランジション)、運用(サービス・オペレーション)、継続的なサービス改善という5つのフェーズがあり、26のプロセスと4つの機能で説明されていました。

しかしITIL V4では、V3でプロセスと呼ばれていたものが、3つのカテゴリと34のマネジメントプラクティスという概念に再定義されています。

 

結局どっちを取得するべき?

現状どちらも受験可能なITIL V3とV4ですが、どっちを受験するべきかそれぞれ解説します。

ITIL V3を受験すべき人

V3を受験すべき人は以下の通りです。

V3の受験がおすすめな人
  • あまりプロセスへの理解がないIT初心者
  • 保有資格を増やして就職や転職に役立てたい人

 

ITのプロセスやライフサイクルへの理解がまだ未熟な、IT初心者の人はITIL V3の取得がおすすめです。

ITシステムがどのようにデザインされ、世の中に導入、そして運用・保守されていくのかなど、ITサービスマネジメント全体の流れや仕組みの知識が身につきます。

 

また、リリースされてまだ歴史の浅いITIL V4よりも、発売されている参考書や情報の多いITIL V3のほうが取得難易度が比較的低いため、資格を取得して就職や転職に役立てたい人はV3の取得を目指すほうが楽です。

企業の採用担当者や面接官の人も、V3とV4の違いを理解している人はまずいないですし、そもそもITIL資格が2種類あることすら知らない。

 

結局現場でもまだプロセスの概念が使われているので、どちらか迷った場合はV3を受験しておいて問題ないです。

ITIL V4を受験すべき人

V4を受験すべき人は以下の通りです。

V4の受験がおすすめな人
  • ITILについて本気で学びたい人や、仕事で活かしたい人
  • これからの新しいITサービスを提供したいと考えている人

 

ITIL V4はV3からのバージョンアップ・改善されて生まれたものなので、当然ですがこれからはITIL V4が主流になっていきます。

資格を取得して終わりではなく、ITILの知識を身につけて仕事に役立てたい人や、これからの新しい概念によるITサービスを提供したいと考えている人はV4を学ぶのがおすすめです。

(ただし、現状ITIL V4の参考書や問題集はまだ発売されているものが少ない。)

 

V3とV4では共通している部分もありますが、この2つは別物と考えておいたほうがいいでしょう。

もちろん両方のバージョンを取得することも可能です。

 

既にV3を持っている人は切り替えが必要?

ITILの資格には有効期限がないこともメリットにありますが、既にITIL V3の資格を持っている人はV4を取得しないといけないのかと不安になる人もいるかもしれません。

しかし今後ITILのバージョンが完全に切り替わっても、現在v3の資格を取得している人はITIL Foundationの資格を失効することはありません(有効期限はあります。)

 

新しくV4の資格を取得することは可能ですが、V3の資格を取得しているという事実は消えないので安心してください。

 

なお、将来的にはITIL V3の試験は受験できなくなる可能性はあります。

ITIL試験の勉強法、参考書

ITILファンデーション試験は、独学で十分合格可能です。

 

試験に合格するだけであれば、通称「黄色本」と呼ばれる下記の参考書(模擬問題つき)を1つ読み込むだけで可能です。

著:株式会社日立ソリューションズ 笹森 俊裕, 著:満川 一彦
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また、Ping-tという無料のWeb学習サイトがあり、ITILの模擬問題をWebで受けることができます。


ITILファンデーション試験の難易度は高くないので、この黄色本とPing-tを解きながら、間違った箇所は解説を読み理解する。これを繰り返すだけで早い人は1ヶ月もかからないで合格可能です。

ITIL V4の参考書や問題集は少ない

残念ながらITIL V4の参考書や問題集は現状まだ少ないですが、これからV4の資格取得を目指す人には下記の教本がおすすめです。

 

ITIL V4の資格試験の合格のための参考書ではないので模擬問題はついていないですが、ITIL V4についての最新の情報やプラクティスについてわかりやすく解説されております。

その他おすすめの参考書については下記で解説しております。

まとめ

まとめ

ITILファンデーションレベルの知識は、プログラマーやインフラエンジニアに関わらず、ITに携わるエンジニアなら絶対に知っておくべき知識です。

ITサービスマネジメントの知識を身に付けることで、ITサービスを利用者側の目線など様々な角度からでも考えられるようになり、ITスキルの技術面の成長にもつながります。

 

もしITILの資格取得に迷っているのであれば、絶対に学習して良かったと思える資格なので、ぜひ合格を目指してみてください。

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この記事を書いた人

普段の一人暮らし生活で気づいた暮らしに役立つライフハック情報や、PCディスプレイやデスク環境の改善、便利アイテムや家具のレビューなどを発信しています。
普段の暮らしを少しでも快適にしていくために試行錯誤し、理想の生活を追求。
たまに一人旅やエンタメ系の記事も投稿します。

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