院内SEの年収はいくら？病院のITシステムエンジニアの仕事内容と給料を解説【医療情報技師】

私は病院のITシステムエンジニアに興味があったので、院内SE(システムエンジニア)の面接を受け、職場体験もさせていただきました。そして最終的に大手病院グループの院内SEとしての内定は貰えたのですが、内定は辞退し院内SEにはなりませんでした。

　

今回は、私が院内SEの内定を辞退した理由と、院内SEの仕事内容、年収について解説いたします。
※実際にいただいた給与支給予定明細書も載せています。

　

システムエンジニアをされている人やIT関係者で、病院内のITシステムエンジニアに興味がある人の参考になれば嬉しいです。

院内SEの仕事内容

院内SEの仕事内容は主に、病院内における情報システムの運用保守ということになります。

　

現代では医療もIT化が進み、電子カルテシステムや患者情報の管理、医療機器の在庫管理や物流管理、さらに経営管理など、病院内でも様々な医療情報システムが導入され医師や看護師さんに幅広く使用されています。

それらのITシステムには、機器同士とサーバーとの通信に必要なネットワーク管理や、各システムのサーバー管理、情報漏えいや外部からの攻撃に対するセキュリティ対策などの運用保守が必須になります。

医師や看護師などの医療スタッフがこれらのITシステムを安全に使用できるようにするために、日々の運用保守やメンテナンス、ITに関するトラブル対応や医療スタッフからの要望を受けたりするのが院内SEの仕事です。

　

他にも、新しいシステムの導入やバージョンアップ対応のために、医師や看護師との打ち合わせや会議などに参加する機会も多いので、コミュニケーションスキルもある程度は必要となり、ITに関する知識はもちろんですが、医療に関する知識も必須となります。

　

ちなみに病院の患者さんやお客さんと直接話すことはあまりないようです。

院内SEの内定を辞退した理由

私が院内SEを辞退した理由は主に以下の3つです。

休みが少ない

SEが常駐している病院は、ある程度規模の大きい病院となり年中無休の24時間営業である場合が多いです。そのため病院内の様々なシステムも常に稼働しているので、運用保守を担当するSEの休日も一般的な企業よりも少なくなります。

また、病院は土日祝日も営業している場合が多いため、院内SEはシフト制となり、休日は平日になることが多いようです。

　

まとまった長期の休暇を取ることはまずできないそうで、年末年始やゴールデンウィークにも通常出勤になります。

休日出勤・夜間対応・トラブルが多い

24時間営業の場合は医療システムも24時間稼働しているため、夜間にシステムトラブルがあった場合に備え、常にSEが一人は在中していなければなりません。

そのため、交代で夜勤があるようです。

　

他にも、急なトラブルで夜に呼び出されることや休日に出勤することが多々あるようです。

年収が低い

休みが少なく、休日出勤や夜勤の多い院内SEですが、給料は他のIT企業に比べるとかなり低めです。

夜間出勤した場合の夜勤手当や、医療情報技師の資格を保有していた場合の資格手当などを含んだ場合でも、他のIT企業よりも給料水準は低いようです。

　

実際に貰った給与支給予定明細書

私は当時26歳で、IT企業での社会人経験が約3年となります。医療情報技師の資格を保有しており資格手当が月額5,000円支給されるとのことでしたが、それでも年収が350万円ほどでした。

以下が実際にいただいた給与支給予定明細書になります。

あくまでも私が提示された給与支給予定明細書になり、給与額は勤務する医療施設やITスキル、経験、年齢、地域などによっても変動するので、参考程度に留めておいてください。

院内SEになるメリット

デメリットが多い院内SEですが、院内SEになることで得られるメリットもあります。

医療の知識が身につく

普段から医療関係者と密接に関わりリアルな医療現場の体験ができるので、医療に関する知識を身につけることができます。

もし家族や友人が何かの怪我をしたり突然倒れた場合にも、専門的な治療まではできないかもしれませんが、ちょっとした医療の知識や経験によるサポートで助けられるかもしれません。

医師や看護師と仲良くなることができる

普段IT業界ではまず関わることのできない医師や看護師さんとのやり取りが不可欠なので、医師や看護師さんと仲良くなり友人になれる可能性もあります。

病院のサービスを無料で受けられる場合がある

企業にもよりますが、病院系列や医療機関のグループ会社であれば、その系列病院での診察やちょっとした治療は無料で受けられる福利厚生がある企業が多いようです。

私が実際に面接を受けた病院では、社員は無料で診察や治療を受けることができ、さらに社員の家族までも無料とのことでした。よく通院する人や家族がいる場合にはとても助かる福利厚生ではないでしょうか。

医療情報技師について

院内SEになる為に必須ではないですが、医療情報技師という資格を保有していると院内SEとして企業に採用される可能性が高くなります。

医療情報技師については以下の記事で詳しく解説しております。

　

まとめ

院内SEは、ITを通じて間接的に人の命を救うことができる職業なので、ITに精通していて医療に興味がある人にとっては、やりがいのある仕事ではないでしょうか。

私の場合は、給料が比較的安く休みが少ないため院内SEは辞退しましたが、業務内容的には興味があり、やりがいのありそうな仕事だと感じました。

　

年収や休日日数に納得でき、仕事にやりがいを感じることができそうなのであれば、目指してみてもいいのではないでしょうか。