私は未経験でIT業界へ転職してから約5年間エンジニアとして仕事をしており、様々なIT系の資格を取得してきました。
そこで、これからIT企業へ挑戦する人やIT企業に入社したばかりの人に向けて、IT未経験者や入門者が最初に取得するべきIT系の資格を解説いたします。
IT系資格は種類が多く、私が知っているだけでも50種類以上の資格が存在します。
国家資格、民間資格、ベンダー資格と幅広くあり、さらに一つの資格の中でも難易度に合わせて複数のレベルがある場合が多いです。
今回はその中から、IT初心者や未経験者がIT企業で働くためにおすすめな資格について、私が実際に取得した資格の中から体験談を交えて解説したいと思います。
IT入門者におすすめな資格
ITでは様々な分野が存在します。
大まかに言うと、プログラミング、ネットワーク、サーバー、セキュリティ、データベース、組み込み系、アーキテクトなどの分野に別れます。
そのため、IT系の資格ではその分野だけに特化した資格や、様々な分野を幅広く学ぶための資格など色々な資格があり、さらにその分野の中でもOSや開発言語、各ベンダーの機器ごとによって様々な種類の資格が提供されています。
また、上位の資格になってくると、ITの技術的な分野だけでなく、マネジメントや監査人、ストラテジー的な資格など、非常にたくさんの種類が存在します。
その中でも今回はIT入門者や未経験者におすすめな資格を解説いたします。
基本情報技術者試験
まずは一番有名な基本情報技術者試験です。
基本情報技術者はIPA(情報処理推進機構)が提供している国家資格です。最も有名なIT系資格なので知っている人も多いのではないでしょうか。
この資格では情報技術全般に関する幅広い基礎知識を学ぶことができるので、IT企業では新卒や初心者の社員にまず取らせることが多いです。
幅広い知識が学習できるので、自分がITでどの分野の技術を磨いていこうか決まっていない人でも勉強しやすく、勉強しているうちに自分の好きな分野や目指す方向性が見えてくるかもしれません。
ITの基礎的な資格にはなりますが、合格率が約25%となっており未経験者には決して簡単ではなく、試験範囲もかなり広いのでしっかりと勉強しないと合格は難しいでしょう。そのため、取得しているとIT知識の証明となり、企業にとっても価値のある資格となります。
さらに上位の資格として応用情報技術者という資格もあり、さらにその上位にも各分野ごとのスペシャリスト系資格も存在するので、ITキャリアのステップアップに繋げていくことが可能となっております。
基本情報技術者は春と秋の年2回開催されており、受験料が5,700円(税込み)と比較的安く受験可能です。
IT企業では基本情報技術者を取得するとインセンティブや資格手当が付与される場合が多いので、IT初心者は取得しておいてまず間違いないでしょう。(ちなみに私が働いている会社では基本情報技術者を取得すると資格手当が月額5,000円付与されました。)
基本情報技術者試験が難しいと感じる人は、下位のITパスポートという資格がおすすめです。
こちらの資格はIT技術者を目指すというよりも、ITに携わる業務に就く者が取得する資格となっていますので、難易度はかなり低めとなりIT技術者としては取得していてもあまり価値はないです。
基本情報技術者の勉強方法としては、過去問題を繰り返し間違えた箇所は解説を読み、理解することを繰り返す方法が1番効率的だと思います。
以下の問題集が解説がわかりやすいのでおすすめです。
ITILファンデーション
ITILという資格は英国AXELOSという組織が管理している英国政府認定の公的資格であり、取得することでITサービスマネジメント全般についての知識を証明する事ができます。
日本ではあまり有名ではありませんが、世界180ヶ国25言語で試験が実施されており、国際的な資格となっております。(日本語でも受験可能です。)
おすすめな理由としては、ITサービスマネジメントの戦略、設計、移行、運用、改善という5つのカテゴリを理解することができ、ITシステムがどのように開発され、導入、運用・保守されていくのかの仕組みが理解できます。
ITシステムの技術的なことではなく、サービスマネジメントを学び、ITシステムがどのように世の中に浸透していくのかの流れを理解することで、ITの技術的な知識やスキルもより身に付きやすくなるのではないでしょうか。
ITILファンデーションについては下記で詳しく解説しております。
CCNA
CCNA(Cisco Certified Network Associate)はネットワークエンジニアを目指す人におすすめな資格です。
世界最大手のネットワーク機器メーカーのシスコシステムズ社が提供しているベンダー資格で、取得することでネットワーク全般に関する知識の証明となり世界的に認められている資格です。
IT未経験の人はあまり知らないかもしれませんが、ほとんどの企業や施設に導入されているネットワーク機器、ルーターやスイッチはこのCiscoのものが使用されています。
そのため、ネットワーク技術者はこのCiscoのルーターやスイッチに関する設定や動作を理解することが必要不可欠となり、CCNAは企業からの認知度も高いのでかなり価値のある資格となっております。
CCNA学習は以下3つの書籍がおすすめです。
LPIC(エルピック)
LPICはサーバーエンジニアを目指す人におすすめな資格です。
LPIC(Linux Professional Institute Certification)とは正式名称「Linux技術者認定試験」となり、Linuxの技術者としての知識・スキルを証明する資格です。
LinuxとはOSの名称であり、WindowsやMacなどと同じでコンピュータの全体を管理・制御しているソフトウェアのことです。
普段あまりLinuxを使うことがないかもしれませんが、それはLinuxがサーバー用として使われることが多いOSだからです。企業や施設に設置されているサーバーのOSは、主にLinuxが使用されていることが多いです。
そのため、サーバーエンジニアはLinuxを使いこなすことが必須です。
LPICの試験は難易度がレベル1~3と分けられており、レベル1から段階的に取得していく必要があります。試験はピアソンVUEというサイトから申し込み、全国のテストセンターで受験することができます。
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
ORACLE MASTERはデータベースエンジニアを目指す人におすすめです。
アメリカのORACLE社から提供されている資格で、取得することでデータベース全般の知識やSQL、Oracle Databaseの構築、運用などの知識・スキルの証明になります。
ORACLE MASTERの資格についても、難易度ごとにレベルが4段階に別れています。
難易度は「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」と段階的に上がっていき、下位の資格から順番に取得する必要があります。
Bronzeを保有しているだけでもデータベースの基礎知識全般の証明になり、企業からの認知度も高く価値があるので、データベースエンジニアを目指す人にとっては必須の資格です。
AWS認定資格
AWS認定資格はAWSやクラウドサービスに関する知識を証明するAmazonの公式認定資格となっております。
AWSとは世界最大のECサイトAmazonが提供するクラウドサービスです。
現在様々な企業や施設がオンプレからクラウドへ移行しており、このAWSを導入する企業が増えています。
AWS認定資格については私もまだ保有していないのですが、これからクラウドサービスがどんどん普及していく中でAmazonのAWSが主流になっていくと考えられるので、私もAWSの学習をしているところです。
まとめ
今回はIT未経験者や入門者におすすめの資格を紹介いたしました。
自分の目指す分野によっても取得する資格は変わってくると思いますが、自分のやりたい仕事に向けて適切な資格の取得を目指し、より上位の資格にチャレンジしていただきたいです。
自分が目指す分野がまだ決まっていない人は基本情報技術者などを学習し幅広い知識を身につけながら、やりたい仕事を見つけていければいいと思います。
他にも私が知らない資格や新しい資格を見つけた場合はこの記事で紹介していければと思います。
コメント